Netflixシリーズ「YOU」レビュー

「YOU／ユー」は、ペン・バッジリー演じる、一見魅力的な書店店長ジョー・ゴールドバーグを主人公にしたNetflixシリーズです。彼はダークな一面も持ち合わせています。執着、愛、そしてソーシャルメディアが人間関係に与える影響といったテーマを探求しています。ジョーはシリーズを通して様々な女性に夢中になり、物語は真の絆とストーカー行為の危険性の曖昧な境界線を掘り下げていきます。

良い面としては、このドラマは暗く、不快な領域に踏み込み、視聴者に人間性の暗い側面について考えさせる点が挙げられます。ペン・バッジリーの主人公の演技は紛れもなく魅力的で、繊細な演技によって、単調なキャラクターに複雑さが加わっています。

しかし、このシリーズは自らの野望に屈し、陳腐な展開や予測可能なストーリー展開に頼りがちで、その可能性を損なっている。主人公に共感を抱かせようとする試みは、その大胆なアプローチは称賛に値するものの、道徳的な曖昧さと、有害な行動を美化しようとする誤った試みとの境界線が曖昧になっている場合も少なくない。

欠点はあるものの、「YOU」は時折、そのメッセージにおいて輝きを放つ。この番組は、ますます繋がりを深める世界、そしてオンラインとオフラインのペルソナの境界線が曖昧になっていることの影響について、示唆に富む問いを提起する。現代社会の落とし穴について洞察に満ちたコメントを示唆する瞬間もある。しかし、こうした輝きは、番組全体のテンポの悪さ、陳腐なシナリオ、そしてテーマを一貫して展開できていないことのせいで、影を潜めている。結局のところ、「YOU」は素晴らしいメッセージを持つシリーズではあるものの、一貫性と魅力に欠ける物語を維持できていないため、その可能性を最大限に発揮できていないと言えるだろう。

総合評価 - 7/10